近況報告3:大学院合同研究発表会

これもだいぶ時間がたってしまいましたが、9月8日に中央大・日大・早稲田大(教研)の3大学大学院合同研究発表会を行いました。近現代文学を研究している院生たちに、大学を越えた場所を提供するつもりで、もう5〜6年やっているのですが、今回は日大文理が会場。文理では近現代を専攻する院生の数が一桁台になっている状態なので、せめて違う大学の院生たちが何をしているのか、どんな研究をしているかをしっかりと見てもらいたい。午前中にほぼ全員のポスター発表を4グループに分かれて行い、午後は7人の研究発表がありました。ここでしっかり修業して、日本文学協会の研究集会や日本近代文学会にチャレンジしていってくれればいいのですが。 35人ぐらいの院生が出席し、先生たちも関さん、宇佐美さん(中大)、石原さん、金井さん、千葉さん(早大)、小平さん、金子さん、高さん(日大)と、たくさんの参加がありました。
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近況報告2:ゼミ合宿

だいぶ遅れましたが、ゼミ合宿の写真です。今年は8月27〜29日の3日間、軽井沢の研修所に行きました。毎年恒例の卒論中間報告、3年生の朗読会、後期に向けた予習授業などを行いました。この数年、肝試しや卓球大会を学生企画でやっていましたが、軽井沢は民家がまわりに多すぎて、とうてい肝を試すほどでもないということで中止。今回の幹事が見つけてきたBBQで最終日は盛り上がりました。でも、この店に鞄やパソコンを忘れるというオトボケ院生がいたことを書き込んでおきましょう。
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近況報告1

またまた長〜いブランクになってしまいました。
もちろん、ちゃんと生きています。この7,8月はめちゃくちゃな忙しさで、更新の余裕がありませんでした。前期の積み残しの仕事がどさっと来る一方、集英社の『コレクション戦争×文学』別巻の「戦争文学史」の最終校正があり、こちらは校正作業とはいえ、たいへん丁寧な集英社校正係の方の質問につぎつぎに答えていきました。同時並行して、『物語岩波書店百年史』第一巻の入稿がぎりぎりになり、薄氷をふむ思いでゴールイン。一年半で500枚はさすがに厳しかった。入稿直後につぎつぎと襲う校正の嵐にもめげず、校正しながら「週刊読書人」で書き終えた感想を書くことにもなりました。で、さらにまたまた同時に、ある大学の学会誌の論文〆切が迫っていて、中里介山『大菩薩峠』とその演劇化をめぐって、50枚ほどの論文を書いて送るという次第。仕事の引き受け方を反省しなければならないわけですが、それこそ予定外のトラブルが学校で起きたりすると、それで時間をとられてしまうのです。今後はこうしたトラブルシュートの時間的ロスも計算に入れながら、仕事のスケジュールを考えないといけませんね。
ともあれ、集英社の本も岩波書店の本も今月末には出るそうです。 筑摩書房の『ちくま小説選』という教科書副読本の編著も今月に出ます。『ちくま小説入門』と同じく、清水良典さんとの共編。けっこう面白い小説のアンソロジーです。介山の論文は11月頃に出ると聞いています。

最近の仕事2

IMG_0608またまた岩波書店ですが、雑誌『文学』2013年5・6月号が「創刊80周年記念 総目次・索引」特集でした。そこに「『十三夜』注釈のころ」というエッセイを寄稿しました。何でもいいですよという言葉に引かれたまま、20年近く前、大判の『季刊文学』に切り替わった時期の思い出を書きつらねました。思い出を書くなんて、年寄りじみたふるまいですが、まぁ、50代も後半なのだから、お許し下さい。『文学』は10年ごとにこうした記念号を出していますが、総目次と索引がついているのが便利です。

最近の仕事1

IMG_0609『岩波講座日本の思想 第二巻』が出ました。この巻は「場と器 思想の記録と伝達」というテーマになっています。ここに「ジャーナリズムの変容と文学的『知』の配置──田川大吉郎と中里介山をめぐって」という原稿を書きました。都新聞社のジャーナリスト田川大吉郎と同紙に『大菩薩峠』を連載した小説家中里介山の交流と相互のポジション、大正期のジャーナリズムの変容にともなう変化を追いかけてみました。この巻は佐藤弘夫さんが編者で、「記録される思想/流通する思想」という巻頭論文を書かれています。文学関係では、大澤聡さんの「大衆化する思想メディア」も収録されています。自分の書いたものなどは「日本の思想」というコンセプトにマッチしているのかどうか、いささか懸念はありますが、「日本」という名称も、「の」という助詞の意味するところも微妙ですし、何をもって「思想」とするのかという問い直しもふくんだ講座なので、こうした具体的なケーススタディもありかなと思っています。
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