もうひとつやっかいなファクターがあります。合格者が入学手続きをしても、3月末までに申し出ればいったん支払った入学金等を返還してもらえるような仕組みが数年前から出来ているのです。つまり、滑り止めの大学に受かった。入学手続きをしておく。その後、狙っていた大学も合格となった。そこで前の大学は辞退し、納付金は返還してもらうというわけです。かつての大学はやらずぼったくりのような真似をしていたのですから、この仕組み自体は悪いことではない。しかし、入学者数を確定していく作業においては流動的な要因を増やしたことになります。うちの場合は、入学金と前期授業料を一括手続きをした人、2段階手続きをした人に分けています。2段階というのは第1段階で入学金納付、第2段階で授業料納付となります。第2段階までいけば確定ですが、第1段階でとまり、返還に進む人も現れます。この割合をまた各学科ごとに出して、歩留まりを計算していくのです。辞退するか否かの時期的な境目は、国立大学の2次試験の発表です。これが3月中旬。まさにいまちょうど境目が来ている。日々、納付金の払い込み状況の報告を受けながら、次の作業に入るかどうかを検討する。まさに入学試験という仕事は、こうした数字と時間にふりまわされる神経戦の様相を呈しているのです。