3月も3日となりました。毎年、私立大学の教員にとってはこの時期が怒濤のような作業や会議に追われます。とりわけ三年前から入試関係の責任者になったので、平日の休みは一日もなし。土曜日の今日も先ほどまで会議や打ち合わせに終始しました。
なかなかその大変さもわかりにくいと思うので、ぼくの務めている学部の紹介も兼ねて説明してみましょう。
文理学部の一般入試は合計六回。センター入試を利用した入試が一期と二期と時期をずらして二回、あります。学部だけの入試が四回、開催の順番に理系学科の一期、人文系学科、社会系学科、理系学科の二期とあります。それぞれに入試実施、採点処理、判定データ作成、判定案の作成、判定原案委員会、教授会といった手続きをへて、合格発表にいたります。
ここまではふつうの入試をめぐる手続きフローですが、文理学部の場合はそれぞれの系に分かれているとはいえ、合計17の学科があり、入試については学科ごとに募集定員を定めています。つまり先ほどの入試回数は学系ごとに学科別に判定をしていくわけです。第一志望のほかに第二志望制を入れていますから、その計算も必要です。また学科によっては傾斜配点を行います。たとえば国文は国語の試験の得点だけを1.5倍する。ところが、第二志望の学科が同じ傾斜配点をしてはいませんから、その受験生の得点は元に戻した上で得点表に移し替える。
もちろんこうした面倒なことはコンピュータにブログラムをさせて処理するのですが、たいへん複雑なだけに何度も検証する。文理学部では業者に外部委託しないでこの作業をやっているのて、手間がかかります。しかし、内部で作業することで、それまでには見えなかったいろいろな問題点もわかってきました。これはまた別な機会に書いていきます。
それはともかく、こうした判定は歩留り率の計算も不可避です。たとえば50人を確保したいという学科にほんとうに50人以上が入学手続きをとるようにするには何人の合格を出せばいいのか。こうした歩留りの計算も過去3年くらいの統計をもとに算出するわけです。いま私立大学は入学定員の超過をいかに絞り込むか、補助金カットをちらつかせておどされている状況ですから、定員割れはしたくないが、大幅超過はペナルティにつながる。従って50人定員でいえば、51人以上、62人以下の幅に収めることを狙うのです。受験生のあなた任せではすまされないので、この数字への着地が一苦労です。補欠合格が不可避なのもそのためで、受験生には気の毒ながら避けられない。ということは合格発表のあとも、日々の入学手続き状況をにらんだ計算と、ふたたび同じ手続きの会議が続くということです。だいたい3月中旬まで継続します。
偏差値の最上位大学になると、あまり歩留まり率は関係なくなるかもしれません。ただし、同じ大学内での学部併願がありうるから、少しは計算しなければならないでしょう。偏差値がさがって中堅校になればなるほど計算は複雑で、しかも年度ごとの微妙な偏りも生じてくるのです。 
こうした業務にどこまで意味があるかという問いもありえますが、それはひとまずおくとして、少しは大変さが見えてきたでしょうか。