詩人の伊藤さんらが3.11の地震以後、「言葉を信じる」という総題のもと、詩人・作家の朗読会を開いている。春、夏とあって、今回は秋。朝のうち大雨のふる22日にそれがあった。会場は日本近代文学館のホール。今回は稲葉真弓、白石かずこ、高橋睦郎、天童大人、伊藤比呂美、池澤夏樹といったメンバー。実はゼミの学生が日本近代文学館の夏の文学教室で講演を聞いて伊藤比呂美さんの大ファンとなり、大興奮のあまりホールの出待ちをして話しかけ、自分の大学でも講演をしてほしいと強制的な押しかけ依頼をした。伊藤さんは快く引き受けてくださり、なんと学生企画の講演会が11月に開催されるのだ。学生から相談を受けた教員たちは何とか謝礼の出る方法を考えるなどサポート役に徹してきた。すべて連絡も学生まかせだったので、この機会に伊藤さんにもご挨拶をしておこうという魂胆。
で、その伊藤さんの朗読。これはたしかに学生が手もなく吸い込まれたのもわかるなあ。はっきり言って面白すぎる。面白くてやがてためになるというのは、昔きいたどこかのコピーだけど、平田俊子さんが伊藤比呂美を詠んだ詩のなかで「ポスト寂聴をねらっている」と評したのもけだし名言。『とげ抜き新巣鴨地蔵縁起』の宣伝惹句で「人生に行き詰まったら、いとうひろみ。」とあったのもむべなるかな。くわしいことを書くと、講演会に来ないで話だけ聞いてすます人がいると思うので、 これ以上は説明しません。どういうこと?と思ったひとはぜひ下記講演会に参集すべし。人生に行き詰まった人も、まだ行き詰まってない人も、いずれ行き詰まりそうな人も、みな伊藤比呂美の声を聞いてみるべきである。
もちろん、この日の目的は果たし、学生数人とともに伊藤さんにご挨拶。5日の件をよろしくお願いしたのでした。 

日本大学国文学会特別講義(金子明雄ゼミ)
伊藤比呂美講演会「なぜ詩を書くのか 生命・言葉・家族」
11月5日(土)13:30〜 文理学部3号館3410教室
 入場無料