地震が起きたのが3月11日。それからすでに2週間近くたつのだが、いまだに行方不明者が1万6千人もいる。被災地の支援は少しずつ進んでいるけれど、避難のさなかに亡くなる人も後を絶たない。福島はもはや原発事故のFukushimaとして世界に知られ、モグラ叩きのように昨日は1号機、今日は3号機、原子炉核容器の温度が400度にあがったとか、処理済核燃料プールの水がないとか、次々と事態が入れ替わっているが、依然として深刻な状況ということだけが共通している。
日常の業務も進めなければならず、わが大学では卒業式、入学式の中止を決めた。学部はどうするか。校舎の安全確認をすませたところで、学位記伝達式は開催。卒業パーティは中止。4月1日夕方に予定されていた地域住民との「観桜会」という懇親会も中止。21日予定の、非常勤講師の先生を招いての新年度教員懇親会も中止と決まった。一方、まだ入学試験の事後処理はつづいている。合格発表があり、一定の期間で入学手続きがなされれば、新入生となるのだが、地震により国公立大学の後期試験がずれたり、内容変更が起きている。これに連動して、日大文理の合格者の動向も左右される。25日までつづく最終手続き締め切りまでのあいだ、手続者日計表を見ながら、さらなる補欠合格を出すかどうかを決めなければならない。被災地の在校生、入学生への支援や対応、新年度ガイダンスのありかた、計画停電にともなうWeb履修システムの渋滞をどう防ぐか、考えなければならない案件が膨大にふくれあがっていく。
しかし、にもかかわらず、つい先週は庭先の早咲きの桜が満開になった。昨年は咲かなかった桜だが、寒肥をたくさんあげたからだろうか。今年はみごとな開花だった。その一週間後の今日は朝から熱海は粉雪が舞った。もう3月24日だというのに。地震と津波という自然そのものの力の前に、季節も微妙な狂いを生じている。