芸術学部で西洋美術史を担当されている木村三郎先生から誘われて、芸術学部の大学院特別講義に出かける。美術史とはとんと無縁なはずなのだが、少し前に近世草双紙を研究している同僚の佐藤至子さんが呼ばれ、ついでにぼくもとなったらしい。美術に関連させるというのはいくら何でも不可能なので、美術にも文学にも関係の深い検閲をめぐる問題で話をさせてもらう。聞く側も日本の近代文学にくわしいわけでもないだろうから、パワーポイントで70枚ほどのさまざまな画像を用意し、電気紙芝居をしながら、1920年代における検閲制度と文学の交錯について話す。終了後、木村先生や院生さんたちと江古田の夜の街へ。どうやら芸術学部のみなさん御用達らしい居酒屋へ。これがまた昭和のレトロな雰囲気の居酒屋で、隣のテーブルで泣きさけぶ幼児たちの声をよそに焼酎を飲む。一軒目をあげて、木村先生をお見送りしたあと、さらにもう一軒。芸術学部ならびに江古田の空気にふれた一晩でした。