日本台湾学会の第11回学術大会に参加。いくつもの分科会とシンポジウムからなる大会だが、和泉司さんと赤松美和子さんの企画になる「台湾で〈作家〉を目指すということー日本統治期・国民党戒厳令期の二つの『抑圧』下における青年の欲望」という分科会のコメンテーターを依頼されたため。同僚の山口守さんや三澤真美恵さんがホストで、会場が文理学部でもあり、協力させていただきました。2人は雑誌・新聞メディアが主催する「懸賞小説」などの企画や「文学賞」という文学場のシステムをめぐるトピックを扱われていたので、ぼくが呼ばれた次第。勝手のわからないままに与えられた25分を使い切りましたが、このトピックが東京の文学場ではなく、台湾のような植民地ではどのようなことが起きるのか、また光復(解放)後、戒厳令による言論統制がなされるなかで、国策の文学から国民の文学へのシフトチェンジがどのようになされたかをめぐって、いろいろな知的刺激を与えてもらいました。懇親会では、旧知の垂水千恵さんや河原功さんに久しぶりにお会いする。山口さんによれば「若い学会」ということですが、会員数500名前後で200名近くが集まるというのは活気のある証拠でしょうね。