下高井戸シネマの優れたドキュメンタリー映画を見る会の特集上映がスタート。
この日は公開前夜祭。主宰の飯田さんがあいさつで言っていたけれど、今回は「小三治」の人気がすごくて、前夜祭のチケットの売れ行きがいまひとつで不安だったとのこと。でも、開場したら、やはりいつものように多くの席がうまって補助椅子のひともいました。ここは相変わらずの盛況です。年一回、ここで会いますねとのあいさつを交わし合う。
最初はギターとボーカルのジャズ、ミニコンサート。気分を変えて、次はワインとジュースがふるまわれた。ちょっと贅沢ですね。飯田さんの友人の方の差し入れなんだそうです。感謝!
さて、映画は森康行監督による「多摩ニュータウン わたしの街」。養蚕で栄えた多摩丘陵の一角を、農家から土地を買い占め、山を崩し、丘を切り開いて出来たニュータウン。それから40年。老朽化した建物と新しい建物とが混在するこの街で、高齢者の介護とコミュニティのあり方が鋭く問われている。ことさらに孤独死が強調され、ゴーストタウンと言われることに憤慨した老人たちが、映画カメラマンの南文憲さんとともに、この街の記録映画を撮り始めるところから映画は始まる。つまり、記録映画を撮っている人々を追いかけながら、街とそこに住む人々を撮った記録映画。介護の現場がたいへんであることは言うまでもないけれど、それを支える医師と、福祉ボランティアの人々。そして妻の介護を四年間やりとおして、いまは独り身になった90代のお年寄りが語る。ひとりになって身軽になって「独身貴族」になったんだ。孤独で悲惨な存在のように見られるのはいやだ。他の友人たちと一緒に映画作りの作業に参加し、歌唱グループを結成し、老人クラブをまわる。そういう生活のなかで彼は生き生きしている。映画のなかの老人たちの表情がいい。
BGMの選曲や編集方法などは、必ずしも気に入らなかった。ここはもう少し突っ込んで欲しいと思うところが省略されていたり、どこか遠慮もあるところも。
この日は熱海まで帰らなければならないので、映画が終わり、監督らのトークの始まる前で退席。帰りの東海道線のなかで多摩ニュータウンをはじめ、ぼくが住んだ小平などの東京郊外に思いをめぐらす。