アメリカ、オバーリン大学のアン・シェリフさんが歴史学者のレン・スミスさんと来日。北京、ソウル、東京、広島と回って来られ、熱海に寄られた。アンさんとは日大文理に訪問学者として来ていただいたり、数年前の小樽での伊藤整シンポジウムでもご一緒した親友。あいにく熱海は曇り空だったけど、我が家から浜辺まで散歩して熱海市内を案内。第一次世界大戦のヨーロッパ史が専門のレンさんとは猫好きで一致、片言の英語と日本語でコミュニケーション。ダウンタウンの寿司屋でディナー。この間のアメリカの日本学や大学事情などを聞いたり、日本の状況を話したりする。いま日本の大学はアメリカの大学を真似して追いかけているのだというけれど、最大の違いはグラントと入試事情。まずアメリカの大学の研究者はほとんど入試業務にはかかわらない。ところが日本の学者は入試ばかりに追われている。これは研究とアドミニストレーションの人事区分についてまったくプランなくやってきた戦後の問題なんでしょうね。グラントというのは一種の研究基金で、研究休暇をとって国内外に出たり、研究する時間を与えること。これが日本にはまったくない。多くの大学はサバティカルや海外研修などの制度を導入しているが、これがまったく休暇としか理解されていない。若いけれど研究熱心な人は、研究はしないけど年齢の上のひとに遠慮して休めないし(日本的な人間関係)、休みたがるひとはだいたい研究も校務も出来ない(これはどこの国でもそうかな)。ディーンも選挙で選ぶ日本ではサバティカルや海外研修の任命も票固めの利権になる。たぶん、日本的システムで学問研究の被っているマイナスは相当なものだと思う。それにもかかわらず日本の学問研究が多少ましだとすれば、それはほとんど研究者個人の酬われない努力によるものでしょう。すべての問題の根本を探ると、やはり文科省の教育行政に原因があるのではないでしょうか。