週末に来客があるので、湯河原から真鶴にかけて買い出しに出ました。伊豆山〜湯河原〜真鶴と車でまわると、いたるところで花が咲き乱れている。熱海桜はおわったけれど、山桜やソメイヨシノが咲き、菜の花が黄色く咲きこぼれてるように見える。半島を走る135号線はそれこそS字カーブの連続だけれど、そうした角をまがるたびに風景が変わり、新たな視界がひろがる。右に相模湾が広がり、左に新芽のではじめた山々を背景にさまざまな色が浮き出てくるようです。下の写真は我が家の対面にひろがる多賀の山腹だけれど、そこにも花々が見えます。どこの地域もそうだろうけれど、東京の春が桜の名所が限定されたエリアになっているのに比べて、ここはそのように整理されてはいない。伊豆高原の人工的な植栽とも違う。長い時間のなかでさまざまな人たちが植え育て、さらに木々や草花がそれぞれ種子を蒔き散らし、繁殖し、ゆるやかに滅びている、そんな感じです。紀州新宮に行ったときのことを思い出したが、中上健次が「千年の愉楽」で書いていたことはこんなことだったんじゃないか、そんな気がしてきました。世界救世教や真光教団などの新興宗教が本部を置き、おおきな暴力団の総本部があるのもここ熱海。熱海に住む以上は、新興宗教やヤクザとの共生がテーマだねと笑い話にしていたけれど、けっこうそれは当たっているかも。宗教的なことや生命力を強く感じさせる場所でもあるんですね。
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