熱海にもどると映画を見るという習慣がつづいている。この週末は、成瀬巳喜男の「めし」を見た後、マキノ雅弘の「人生とんぼ返り」を見て、リタ・ヘイワース主演の「カルメン」まで見てしまった。われながら散漫だなぁ。リタ・ヘイワースつながりで「ギルダ」に「カバーガール」「Rita〜リタ・ヘイワースの軌跡〜」まで買ってしまった。研究室に来た院生にそれを話したら、何か秘密のプロジェクトでもあるのではないですかと真顔で聞かれたが、そんなことはない。ただ単にモンロー以前のセックスシンボルのリタ・ヘイワースが気になって、なんでオーソン・ウェルズは彼女と結婚したのかと、「上海から来た女」を見たときにふと思ったのがきっかけ。成瀬はこの間、成瀬の階段が気になって(これはちょっと仕事がらみ)再確認のためなんだけど、「夫婦善哉」を読み返しているうちに森繁久弥の関西弁に出会いたくなり、それで「人生とんぼ返り」を見ていたら、山田五十鈴のあまりのすばらしさに涙が出そうになったり。体系的に見れないことはほんと致命的ですが、それはさておきこの「人生とんぼ返り」という映画は、沢田正二郎と殺陣師段平を描いたおなじみのストーリーで、たしかにマキノお得意の叙情たっぷりなんだけど、河津清三郎ふんする沢正がなんともおもしろくない役だし、演出家の倉橋仙太郎(ほんものは大河内伝次郎の師匠)を演ずる水島道太郎も演じがいがなかったろうと思うぐらいつまらない役で、マキノ映画としては二流なのですが、森繁と山田五十鈴のやりとりだけは絶品です。一見の価値ありです。