改造社の社長だった山本実彦が所蔵していた作家の原稿がデータベース化され、DVDになりました(雄松堂出版)。90人の著者に7000枚の原稿画像、これにその原稿が掲載されたときの「改造」等の雑誌誌面の画像を組み合わせ、解題をつけた資料集です。論文集もつけたので、これを記念してシンポジウムのイベントが開催されました。場所はパシフィコ横浜。図書館総合展という図書館関係企業の見本市のなかで、森まゆみさんの特別講演のあと、十重田裕一さん、宗像和重さん、島村輝さんとのパネル。それぞれ論文集に書いた論文のエッセンスを話したので、学問的研究的には二番煎じなんですが、発売されたばかりなので、お互いにそれを読んでのディスカッションを兼ねた次第です。会場には100名超の参加者があり、石崎等さんや阿毛久芳さん、庄司達也さん、中澤弥さん、松村良さんらのすがたも。新聞等でも話題になった「続夫婦善哉」発見の立役者・日高昭二さんには会場からわざわざ発言していただくなど、盛りだくさんで無事終了。そもそも1つの出版社に関連して、これだけ多くの直筆原稿が見つかることが大きな事件でした。それも有名作家の原稿が出ていたというだけでなく、分量が多かったことによって、有名無名に関係ない。芥川龍之介のように本人の原稿ではないという謎の原稿(それ自体がミステリー)や、有島武郎のように「白樺」掲載の原稿がここから出てきたり、あるいはまた細かい編集者の指定が残っていたり、本文生成のプロセスが見えてきたりと、資料から見えることは相当に幅広く、なかなか興味はつきません。まとめでも申し上げたのですが、ぜひともこのDVDから新たな研究を展開させてもらえればと願っています。
終了後は参加メンバーで中華街にくりだす。島村さんおなじみの店で卓をかこみました。