猫のハッピーが死んではやくも一ヶ月。あっという間に時はたっていく。遺骨は居間においてある。次第に一日のなかでハッピーのことを思い出す時間は減っているのだけれど、ときどき弟猫のQ太郎をまちがえて、「ハッピー!」と呼んでしまう。人間だったらいたく傷つくだろうなと思い、注意するのだが、ふとしたときに口をついてしまう。ゴメンネといいながら、Qの頭をなでる。
でも、この弟猫も一匹だけになってから変化があった。血のつながりはないけれど、先住のお兄ちゃん猫にくっついてうっとおしいほどチョッカイを出し、人とはなかなかコミュニケーションをとらなかった。お客さんが来ても、相手をするのはハッピー。Qは押入れに隠れたり、ソファの下にもぐりこんだり、人嫌いの風があった。それがこのところ違う。しつこいほど、こちらに慣れ親しみ、そばにぴったり寄りそう、顔をなする、鼻をすりよせる。こちらもハッピーがいなくなった分、この猫に手をかけるようになった。そうこうするうちに表情が豊かになっていった。それに応じてこちらの顔もゆるむ。猫と人も関係性のなかで生きてるんだとつくづく思う。
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