IMG_0687『東京新聞』10月24日(とっているのは静岡版なので、正式な日付は前日の夕刊かな)の「大波小波」欄で、『物語岩波書店百年史1』をとりあげてくれました(「文庫派」という署名)。十重田さん、中島さんそれぞれの岩波茂雄伝と一緒です。たいへんありがたいことなんだけど、「闘う出版人」としての岩波に光をあてたという趣旨。で、「紅野本は、大学アカデミズムと微妙な距離をおいた「教養」の形成を茂雄の個人史と重ねる」と紹介されている。うーん、ちょっと違うんだけどなあ。それは3章ぐらいまでで、岩波茂雄という出版人がいかに文学に暗かったか、その岩波から広まった「教養主義」の書き手たちの問題点にふれながら、芸術本の話や本造りの方にいくのが後半戦。労働争議のことも、家族主義的経営を主張していた岩波の死角につながるので、必ずしも「闘う出版人」というほめ言葉には収まっていないのです。まあ、これは岩波茂雄伝ではなく出版社の「百年史」の一冊だということもあるのですが。うれしいけれど、そんなふうに読めてしまうのかとみずからの技量についていささか複雑な気持ち。でも、ともあれ、ありがたいことです。