ネルソン・マンデラが亡くなって、追悼式の模様が伝えられました。
 そんななかで思い出した記念すべき写真がこれ
 1990年に来日したマンデラ。27年間の獄中生活から解放されたあと、大統領に選ばれるまでのあいだ、世界各地をまわって南ア共和国や人種差別反対運動への支援を求めた。そのとき日本にも来たわけですが、都内の各大学は釈放されたばかりの運動家を迎えるイベント会場の提供に尻込みしました。結局、あちこちから拒絶されたあげく、関係していた日大の国際関係学部の先生(当時)が文理学部の事務長に連絡して、依頼したところ、即決で承諾したのだという。なぜ、出来たのか。どうも政治犯とは聞いていたけれど、どういう人物か知らなかったらしい。ある意味で、これは無知から生まれた幸福な結果なのかもしれません。この日、いまはない超古ぼけた大講堂(いまは跡地が新図書館になりました)に、支援するミュージシャンたちも数多く登壇。サンプラザ中野やシーナ&ロケッツやらで大盛り上がりになりました。とんでもないお祭り騒ぎになったアフリカ系の人々を前に、当時の職員たちは呆然としていたそうです。日大文理にいたから味わえた歴史的な一瞬。
 獄中27年。マンデラの闘いはこれからの日本にとって対岸の出来事ではないと思います。マンデラ大統領と南アのサッカーチームを描いたクリント・イーストウッド監督「インビクタス」を見返したくなってきました。