あっというまに1月も半ば。先週からすでに大学の諸会議で動き回っています。卒論修論の提出締め切りも明日まで。あちこちばたばたしたり、ほっとしたりする学生・院生であふれているでしょう。
さて、今日は案内1つ。昨秋、日本近代文学館のイベント「文学館へ行こう!」で知り合った武蔵野美術大学の院生荒井美波さんの「Trace of Writing」という個展が、明後日1月15日から恵比寿のTRAUMARIS SPACEで開催されるので、お知らせします(すでにFBではリンクをシェアしましたが)。
荒井さんは漱石や芥川、太宰など、近代文学の作家たちが残した直筆原稿をもとに、その文字の筆跡を一画一画、針金で臨書的に再現するという作品を製作しています。文学館などでつくられた複製原稿を画像で読み込み、原稿用紙の罫線をまず皮革に印刷し、一文字ずつ解体して、植え付けるように「書く行為の軌跡」を再構成するのです。筆順にしたがって高低差がつくため、真正面から見れば、まさに原稿の3D再現となり、見る角度を変えると文字はまさに生え出た無数の草木のようにも見えます。写真では少し分かりにくいと思いますが、彼女はこの一連の作品で武蔵野美術大学の卒業制作優秀賞を受賞。さらにMITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD2013にチャレンジして、佳作を受賞しました。このときの審査委員・都築響一さんの推薦を得て、個展開催となった次第です。これは文学を文学としてとらえる視点とは異なりますが、文学を通して「文字の力」をあらためて身体に感じさせる強い作品になっていると思います。去年から荒井さんはぼくの大学院の授業をのぞきに来ていますが、そこで作品を見せてもらったとき、院生一同、すっかり魅了されてしまいました。ぜひ、みなさんも新しいアートの誕生に立ち会ってください。